心の病は国の損失(中)(09年11月18日朝日の生活欄から) [「うつ病」なる病気]

今回のはオランダのケースを紹介。

オランダでは、休職後も復職できないケースは、障害給付金の支給対象になっていたが、その認定要件が甘く、かつては労働人口の7人に1人が支給対象になっていたという。
この受給者を減らすための制度を作ったとたんに、90年に約90万人いた受給者は08年には約60万人に減少したとのこと。

たしかに、労働人口の少ないオランダにとって、給付金を支給するより復職したほうが、企業、国内経済、国家財政にはよいことづくめ(のようにみえる)。

(いったい差し引き30万人というのは、なんだったのか? はじめに線引きの結論ありきではないだろうが)

このスクリーニングには、専門性の高い産業医制度の存在が大きい模様。
オランダで産業医になるには、医学部を卒業後、4年間の研修、週に24時間以上患者と接し、5年おきに実績記録を提出しなければならない、とのこと。

これに対し、日本の産業医は約8万人。大多数が日本医師会の50時間の基礎研修受講によって、産業異を名乗ることができるらしく、自分の専門分野と兼務するのが、ほとんどだとのこと。
産業医としての活動は、週に5時間程度との調査もあるという。

(昨日の心理士の質の問題といい、この産業医の質の問題といい、いったい日本の精神医療を支える医療サイドの質の問題は、現在の精神疾患の現状の「原因」なのか、それとも単なるヨーロッパとの差にすぎないのか)

『精神科医は腹の底で何を考えているか』の春日先生のような、人の心に対する深い考察をする精神科医が、産業医として日本にもたくさんいることを、ただただ祈るのみ。
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