今日は診察日だった [アモキサンの服用効果・診察日]

もう1ヶ月経ったのか。

クリニックの医師は、相変わらず病床(らしい)。
前回からの代診の医師が非常にクレバーなタイプなのが、実に好ましい。

例によって、「この1ヶ月どうでしたか?」から始まる会話。
前回指摘してくれた、万一
1)早朝覚醒が3日続く
2)眠れない日が3日続く
など、まったくなかったことをまず述べる。

ふつうに眠れるし、床に就くと5分程度で眠ってしまうこと。土日は昼寝。散歩。
睡眠時間は、6時間程度がふつうだが、疲れたなと思えば10時過ぎには寝ること。

南木佳士の読書のエピソードを述べ、自分では「疲れ」のせいだと思い、早寝して再読したがなんということはなかったこと。

副交感神経優位に保つように努力していること。
安保徹教授の話をしたら、「ああ、たしか新潟大学の先生ですよね」とドクター。

などを話しつつ、安保教授の話、多田富雄教授の話などを織り交ぜつつ、「生き方」論に及んだころ、ドクター曰く、「そういう生き方というのは、過去の生き方とは決別してるってことじゃないですか?」「予防的な行動とか、理想的な患者さんですよ」と。

結果的にそうなりますかね、と私。

さらにドクター曰く、「かなり読書をされているようですけど、それだけ実践するひとって少ないですよ。これから減薬していったとしても、再発のリスクはかなり少ないと思いますよ」と。

ありがたいこと。

このあたりから、ほぼ無駄話に入っていくw
もうひとりの代診医師の話。
「患者の目を見て話をしないし、白衣なんか着ないと医師たりえないんですかね」的な私の誘導にも負けずw、「直接会ったことはないんですけど、年齢的にDSM-IVの申し子ですねw」とドクター。

「あれじゃあ、治るべき患者も治らないでしょうw」と私。
もちろん声を潜めてw

「まあ、白衣というのも演出のひとつとして必要な患者さんもいるんですよ」とドクター。
「だって先生は着てないじゃないですか?w」と私。

「白衣を権威の象徴とみる患者サイドと、それを利用するというか、権威をまとわないと医師たり得ない医師というのは、どうかと思いますけどもね」と私。

まあw、とドクター。
「もともと精神科医は内科医とかとは違って、検査とか体を触ったりはしませんからね」とも。

ドクターの愚痴(順不同)。
「精神科の医師というのは、内科や外科のように目に見える回復って分かりにくいわけですよ。だから、医師仲間から評価されないことが多いんですよ」

この病気の恐ろしさは、自分を死に導くこと。
そこから脱出させてくれる精神科医の大変さというのは、私は評価しているが、と言うと、「そうなんですが、結局、患者のことが内科医や外科医たちは分からないからなんだと思うんですよ」とドクター。

「結局、人の心って分かったように思っているだけで、ほんとうに分かるってありえないでしょう?」と突然、深い話を私に投げかける。
「たしかに、共感することはできても、同一化というかシンクロするってことは、ありえないことなのかもしれませんけどね」と私。

生き方論がらみで歎異抄の話をしたら、般若心経っていいですよ、今度読んでみたらどうですか?とドクター。
なんでもすべての仏教の最大公約数というか、神も仏も出てこない経典とのこと。
読みやすいのがたくさん出ていると、ドクター。

「ところで高嶋さん、人の存在って精神が中心だと思いますか?肉体だと思いますか?」とドクターw

そりゃあ難しい問題ですね、両方だろうなと今は思いますが、と私。

病前の私なら、迷わず精神だと答えただろう。
しかし、多田教授の『免疫の意味論』を読み、胸腺という「物質」が脳を支配することを知り、精神をも支配する肉体の存在を理解し、現実の問題として肉体的な疲れが精神に影響を与えることを知った。

さらに「自己」そのものじたい変容するものであり、物理的、生理的な影響を受け、精神それじたいが変容していくものであることを身をもって体験したことなどを話した。

「どうして精神科医というのは、そういう哲学的なものについても考えちゃうわけなんですかね?」との私の質問に対しては、「人間の心理を考えるとき、どうしてもそういう方向にいくんですよ」とのこと。

あっという間の20分だった。
最後に、「私はこういう人間だということ、お分かりいただけましたか?」と言うと、ドクターは笑っていた。

私にとっても、このドクターと知り合えたことは収穫だった。
<わがはからいにあらず>



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